服飾の世界から起業家への転身をした人物

夢を持つことはとても良いことですが、夢にこだわり続けるだけでは成功を勝ち取れないかもしれません。モバイルゲームの分野で大成功を果たしたgloopsの創業者で、現在シンガポールで事業を行っているという梶原吉広さんは、一つの夢にこだわらなかったために多額の資産を築くことに成功した人物のようです。

もともとはファッションデザイナーになることが、梶原吉広さんの夢だったそうです。北九州市で生まれた梶原吉広さんは、高校を卒業後にはその夢をかなえるために服飾系の専門学校に入学したそうです。ところが、実は実際にファッションデザイナーとして生活をする人はとても少なく、卒業生の多くがショップ店員として働いていることを知り、学校をやめてしまいます。夢を簡単にあきらめたと感じられるこの行動ですが、梶原吉広さんはその後、友人と共に事業を起こすという別の目標を見据えていたようです。

資金は300万円。梶原吉広さんと共に3人の友人で協力して設立したのが、現在のgloopsの前身となる会社だったそうです。ただ、最初からモバイルゲームの仕事を行っていたのではなく、広告代理店として、紙媒体の広告作りを行っていたそうです。ファッションやデザインに興味を持っていたということを考えると、デザインという夢はまだ持ち続けていたと感じられます。

ところが、梶原吉広さんがソーシャルゲームと出会うことで、大きく状況が変わっていきます。時代も徐々に紙媒体の広告からインターネット広告へ、そしてモバイル広告へと変動していきました。同じように、ソーシャルゲームもパソコンからモバイルの時代に突入し、運命のゲームともいえる「渋谷クエスト」のリリースが行われます。

大ヒットゲームとなった渋谷クエストをリリースした当初は、まだ10人ほどのスタッフで、事業自体も広告代理店事業も並行して行っていたようです。ですが、渋谷クエストの大ヒットにより、梶原吉広さんが起こした会社はソーシャルゲーム事業のみを行う会社に代わり、現在の社名であるgloopsを誕生させることになったそうです。

ますます新しいソーシャルゲームに期待が集まるようになる2012年に、梶原吉広さんはgloopsを売却するという大胆な行動に出ます。自分が築き大成功を収めた会社ですが、さらなる転身をすることになったようです。会社の売却資金を使い、シンガポールに渡って新たな事業を行うなど、ファッションデザイナーを目指した人物は、今は事業家として成功を収めているようです。